渓水寮の雰囲気を分析してみる
さて、この渓水寮は最大受け入れ人数13人の少人数寮だ。少人数が良いとか悪いとかの話ではなく、そのところが、他の寮と差別化するポイントになることがある。少人数寮は、一般的な、最も多くの人が暮らす寮とどのような点が違うのかと思ったこともあった。
結局、この渓水寮以外の寮は経験したことがないのでなんとも言えないが、「家族の延長」のようなものになるのかなと思っていた。家族の関係性の中では同じ空間や時間を一番共有し、時には互いに言いたいことの本音がぶつかってちょっとした対立につながることもあり、それでいて普段は互いに思いやって各々の役割を果たしていく……というのが私自身のイメージだ。一言で言うと、最もディープな関係性だと思っている。
それで、渓水寮での人間関係もそれに近いものになると思っていたのだが、どうやらそうでもない感じだ。渓水寮の人間関係はプライベートが確保され、交流においても言いたいことをぶつけるのではなく、あくまで、異なるバックグラウンドを持つ一大学生として尊重しつつ言葉を交わし、互いに果たすべき役割はあるものの、それは思いやりからではなく、寮の構成要素としての義務感からやっているという印象だ。一言で言うと、互いの個を尊重した関係といった感じだ。
私は、そういった関係性から生まれる雰囲気が好きなので、今も私はこの寮にいる。